注目

MAKI UEDA

*多くの作品は海外発表のため、English モードにてのみご覧になれます。
*現在CMSを移行中のため、日本語ページでは特に多くのページのリンクが正常に機能していません。ひとつひとつアップデート中です。英語モードをご覧いただければ幸いです(2025.02.08.)

上田麻希 (JP / NL) 

嗅覚アーティスト

JAPAN HOUSE Sao Paulo - fotos  de Rogério Cassimiro (5)

1974年、東京生まれ。2000年よりオランダ在住。現在は、石垣島に嗅覚アート研究所を構える。http://www.pepe.okinawa

アートと嗅覚の融合を試みる、嗅覚アーティスト。世界的に新しいアートとして注目を集める嗅覚アート・シーンの、先駆者的アーティスト。wikipediaの「嗅覚アート」 “olfacory art“の項にも代表作家の一人として名を連ねる。

ヴィラ・ロット・ミュージアム(ドイツ)、ミュゼ・デ・ラ・メ・ローザンヌ(スイス)、シンガポール国立美術館SAM、台湾国立現代美術館、リード大学(米国)などで展示。2018年、清須市はるひ美術館にて全館を使った大規模個展を行う。

慶應義塾大学環境情報学部(学士1997、修士1999)にて、藤幡正樹氏に師事し、メディア・アートを学ぶ。2000年文化庁派遣若手芸術家(在外研修)として、2007年ポーラ財団派遣若手芸術家(在外研修)として、オランダ&ベルギーに滞在。2009年よりオランダ王立美術学校・音楽院の学部間学科ArtScience や、ロッテルダム美術大学ウィレム・デ・クーニング・アカデミー、岐阜県立情報科学芸術大学院大学などにて教鞭をとる。世界初の体系的な嗅覚アートの授業として知られ、多くの嗅覚アーティストを輩出。国内では独自の通信講座やオンライン講座を開講し、教育普及に励む。仏グラース・インスティテュート・オブ・パフューマリー(GIP)サマーコース修了。

匂いをデータ・情報としてニュートラルに、かつサイエンティフィックに扱うアプローチを特徴としている。近年は、空間、ムーブメント、そして嗅覚のクロスオーバーする領域においてインスタレーションを制作。代表作に「嗅覚のための迷路」シリーズ、「OLFACTOSCAPE」「白い闇」などがある。文脈や内容を強調するために匂いを使うのではなく、あくまでも「嗅覚」に焦点を置き、説明不要な体験を創出する。

食物、環境臭、そして体臭など、日常のありのままの匂いを素材から抽出し、「香水化」する技術を持つ。それは調理法から編み出した独自の方法でもある。2005年に嗅覚アートを始めて以来、それをブログでオープンソース化することで、多くの作家に影響を与える。

世界的な嗅覚アートの殿堂、アート・アンド・オルファクション・アワード エキスペリメンタル・カテゴリーに5回連続ノミネート。2022年には最優秀賞を受賞している。2024年、令和6年度文化庁長官表彰。味と匂い学会会員。

(海外発表が主であるため、作家名は日英で統一して 「MAKI UEDA」 としていたが、2024年より本名の「上田麻希」を使用。出身国表記は、「日本/オランダ」。)

ウィキペディア: 「上田麻希」

オンライン・ポートフォリオ: www.ueda.nl

オンライン CV

アトリエとオンライン・アカデミー: www.pepe.okinawa

受賞歴

2009年、ワールド・テクノロジー・アワード(アート・カテゴリー)ノミネート
2016年、第3回アート・アンド・オルファクション・アワード ファイナリスト(サダキチ・アワード)
2018年、第5回アート・アンド・オルファクション・アワード ファイナリスト(サダキチ・アワード)
2019年、第6回アート・アンド・オルファクション・アワード ファイナリスト(サダキチ・アワード)
2020年、第7回アート・アンド・オルファクション・アワード ファイナリスト(サダキチ・アワード)
2022年、第8回アート・アンド・オルファクション・アワード 最優秀賞(サダキチ・アワード)
2023年、第9回アート・アンド・オルファクション・アワード ファイナリスト(サダキチ・アワード)
2024年、第10回アート・アンド・オルファクション・アワード 審査員
2024年、令和6年度文化庁長官表彰

領域:
  • 嗅覚のためのインスタレーション (含 屋外、サイトスペシフィック)
  • アート作品としての香水
  • 嗅覚と他感覚間のリサーチ・プロジェクト
  • 嗅覚のためのパフォーマンス作品
  • 嗅覚のアート・ワークショップ(子供用+大人用)
  • 嗅覚に焦点を当てたフード・アート・イベント
  • 嗅覚をテーマにした美大での授業
IMG_1977

嗅覚の力学 – メディウムとしての空気 –

2025年度シビック・クリエイティブ・ベース東京 [CCBT] でアーティスト・フェローとして展開したプロジェクト “Olfacto-Politics – The Air as a Medium” のアーカイブページです。(作成中)

Categories:

ZINE:

見開き(iPadなどデジタル閲覧むき。印刷の場合はA4使用)

単体ページバージョン(ブックレット印刷用)

A5サイズの小冊子印刷用に作られています。A4の紙を使用し、プリンターのレイアウトで「小冊子を印刷…」を選んでください。

Resources:

CCBT アート・インキュベーション・プログラム/アーティスト・フェロー紹介ページ
https://ccbt.rekibun.or.jp/art-incubation/40467
https://ccbt.rekibun.or.jp/core-programs/art-incubation

成果展示1:匂う森(於:夢の島熱帯植物館)イベントページ
https://renewal.ccbt.rekibun.or.jp/ja/events/biome-of-scent

成果展示2:嗅覚の力学(於:CCBT)イベントページ
https://renewal.ccbt.rekibun.or.jp/ja/events/olfacto-politics-ccbt

フェローブログ(多忙により11月でストップ)
https://pepe.okinawa/?cat=393

Documents:

節々で提出した書類を順に追いながら、プロジェクトの発展を知ることができます。

2025.4.20. 応募時企画書 & 作家紹介

2025.6.20. 採択後 実施計画書

25.07.19. 実施計画書final

契約スタートが8月1日。その前提となる委嘱用の実施計画書ファイナル。

この後、夢の島熱帯植物館への1回目の打診を8月中〜下旬に行う。

25.10.08. 中間面談

この書類は企画書としてはこれがファイナル版となる。理由:最終面談ではすでに最終プロダクションに入っており、この後実施内容に大きな変更がなかったため。

25.12.23. 最終面談

当プロジェクトは進みが早く、すでに最終成果展示が1ヶ月に迫っていた。最終面談としては内容に更新がなかったので、文脈を大きなパースペクティブで眺めるためのリサーチフェーズのマインドマップを共有しながらコンセプチャルな議論を展開。

Press clips:

朝日新聞 GLOBE 

美術手帖

NHK-FM 眠れない貴女へ 2026年3月15日

J-WAVE ACROSS THE SKY (Podcast: Spotify)

原宿表参道新聞

Artnews Japan 1月30日配信

NOSE SHOP 単独インタビュー

嗅覚の力学(アーカイブ展)

ごあいさつ

シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]2025年度アーティスト・フェローである上田麻希による展覧会「嗅覚の力学 ~メディウムとしての空気~」 を開催します。
CCBTのコアプログラムのひとつ「アート・インキュベーション」では、2025年度の活動テーマを「これからのコモンズ」と設定し、公募により選出された5名のアーティスト・フェローと協働してきました。「これからのコモンズ」を思考することとは、わたしたちの身の周りの多様な対象──森林や水、都市空間、知、コミュニティ、ツール、アクティビティなどを、これまでとは異なる視点から捉え直し、新たな世界像を想像することです。
嗅覚アーティストである上田麻希は、「これからのコモンズ」に「匂い」をもって応答してきました。目に見えず、境界をもたない空気を、嗅覚で感じ取り、捉えること。その試みは、私たち人間を含むすべての生物のあいだに共有している空気を、あらためて身体的な経験として引き寄せるものでもあります。
プログラムを通じて上田麻希が取り組んだプロジェクト「Olfacto-Politics: The Air as a Medium(嗅覚の力学 〜メディウムとしての空気〜)」では、嗅覚への理解を深める学びの場「嗅覚ゼミ『SMELL LAB』」を開講したほか、主観的な感覚である嗅覚をテクノロジーで測ることで、匂いの世界を可視化する実践を重ねました。さらに、匂いが人間を含む動植物にとって信号として機能する側面に着目し、夢の島熱帯植物館を舞台に、空気の共有体験を作品として提示しました。本展では、これらのプロセスを含むプロジェクトの全貌を紹介します。
主観的で曖昧な「匂い」は、もはやひとつの言語であり、コミュニケーションの手段となります。本展が、「嗅覚の力学」という視点から 、私たちが生きていくこれからの環境や社会、あるいは人間を含む他の生物との関わり方を再設計する手がかりとなれば幸いです。
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]

フロア1:

実験:メディウムとしての空気

嗅覚はきわめて個人的で主観的な感覚だが、環境にもまた大きく左右されるものであることを体感するための、実験的な作品。展示ウェルカムエリアの3箇所で、同じ匂いを同じ方法で、異なる温度と湿度で提示している。同じ匂いでも、嗅覚への現れ方の差を感じられるだろうか。

NR.場所 温度 湿度
1
2室内入口(暖房)
3テント内(加湿)

匂いは、会期中に上田が実験しながら変えていく。

解説

会期前半:Geosmin 1%
「雨の匂い」ともいわれる。1 は嗅ぎやすく、「さわやか」という声が聞かれた。2 は「土の匂い」という声が多かった。加湿されているテント内では「夏の水道水の匂い」「カビの匂い」という声が多かった。同じ匂いでも環境や条件により感じ方が変わることを体験してもらった。

後半: Menthol 10%
チューインガムや歯磨き粉などで馴染み深いメントール。この香りは特に、嗅覚だけでなく「触覚」にも作用することで知られる。鼻から入った香りは三叉神経に作用し、温度感覚の「痛覚」M8を刺激することで知られている。マイルドな環境(2や3)では「冷感」のようなクールな感覚をもたらすが、寒さ厳しい冬季の展示だったため、1では痛覚が作用しやすく「痛いくらい冷たい」「匂いがよくわからない」という声が多く、対して3では「みずみずしいミントの匂い」という声が多かった。
上田の考察では、雪が降る前や雨が降る前など、天気の変化を微かな匂いで感じられるような気がしていたが、この現象が関係しているのかもしれないと考えた。雪が降る前は、キュッとする感じがあり、雨が降る前はムーンとする感じがある。嗅覚で感じていたと思っていたものが実は触覚だったのかもしれない。
環境臭の関与もあった。1では上の階のイタリアンレストランの匂いが介入し、3ではテントのビニールの匂いが介入。それも含めて、嗅覚現象の相対化を展示の前提とする試みであった。

匂う森 動画アーカイブ展示

Aerosculpture ver.2 〜匂う森〜
日時:2026年1月30日 (金)〜2月1日(日) 18:00-20:00
場所:夢の島熱帯植物館

フェロー活動の「表現」フェーズとして展開された、サイトスペシフィックな環境インスタレーション。事前にワークショップが開催された。参加者は、蛾・コウモリ・人間のいずれかを振る舞いのモデルとして選び、誘引または忌避の成分を用いて香水を調香し、香りをまとって展示空間へ。

それらは、上田により仕掛けられた匂い、そして空間由来の匂いと重なり合い、結果として嗅覚の知覚の交差が生まれる。蛾とコウモリの超音波による交信を模した音の設計、そして繊細な光が、内側の感覚へと誘う。満月の月明かりの下、足裏を眼のように使う暗闇の体験は、大きな反響を呼び、大盛況。たくさんの来場者の「野性の嗅覚」を呼び覚まし、共有する空気へのアウェアネスを喚起させた。

匂いの解説:(QRコード)
https://docs.google.com/document/d/10yL7i4G4LHS-x38ShiQxH6deM1U6XKuIrovRcDTW9xA/edit?usp=sharing

展示した動画

嗅覚ゼミ “SMELL LAB”

嗅覚ゼミ [SMELL LAB]
日時:2025年11月8日、9日、13日、14日、15日
場所:CCBT

「教育」フェーズでは、公募された16名のメンバー対象にワークショップが展開され、嗅覚アートの実技や知見が共有された。メンバーが制作した匂いの作品たちがここに展示されている。われわれの日常活動は、空気というメディウムを介し、気候変動や大気汚染に影響を与えている — その連関を想像し、表現するメディウムとしての匂いが探求された。

▶︎フラスコの口に鼻を近づけて、匂いを嗅いでください。
(↓表にまとめる)
ボトル G1〜G14 / 、温暖化ガスをイメージして、調香したもの
ボトル S1〜S5 / 渋谷の匂いをフィールドワークして、抽出したもの

ゼミの内容をさらに知りたい方(QRコード):
https://ccbt.rekibun.or.jp/what-we-do/smell-lab_researchnote

シンポジウム「匂いが意味を持つとき」
日時:2025年11月15日
場所:CCBT
当フェーズ最終日に開催されたシンポジウムでの議論は、その後のフェロー活動と深く繋がっている。匂いがどのように意味を持ち、人間社会や環境、テクノロジーと関係しうるのか。過密な東京でわれわれが日々体験する「満員電車の嗅覚世界」を、リコー社の気体計測機「FAIMS」で客観的に計測するデモンストレーションも展開された。
録画はこちらから(QRコード):
https://ccbt.rekibun.or.jp/what-we-do/when_smell_has_meaning

実験:匂いの言葉化

実験:においの言語化

SMELL LAB メンバーが、とある匂いを言葉に表現してみた。来場者のみなさんも言葉にして、付箋紙に書いて貼ってみよう。
▶︎フラスコの口に鼻を近づけて、匂いを嗅いでください。

フロア2:

こちらのページ参照:

千代子ウォーク



嗅覚ゼミ [SMELL LAB]

Resource:

メンバー募集ページ
https://renewal.ccbt.rekibun.or.jp/ja/events/smell-lab

説明会のYoutubeアーカイブ動画へのリンクがあります。上田が自身のプロジェクト「Olfacto-Politics」全貌についても説明しています。「においの芸術」訳者の楠尚子さんが、嗅覚アートってなに?といった根源的な質問にもお答えしています。

SMELL LAB レポート
https://ccbt.rekibun.or.jp/what-we-do/smell-lab_researchnote
当プロジェクト全般を支えてくださった楠尚子さんによる、詳細かつわかりやすいレポート。参加できなかったけど、どんなものだったか知りたい方は是非お読みください。

シンポジウム「匂いが意味をもつとき」イベントページ
https://renewal.ccbt.rekibun.or.jp/ja/events/when-smell-has-meaning



シンポジウム「匂いが意味をもつとき」レポート
https://ccbt.rekibun.or.jp/what-we-do/when_smell_has_meaning
楠尚子さんによる詳細かつわかりやすいレポート。参加できなかったけど、内容を知りたい方は是非お読みください。Youtubeアーカイブ動画へのリンクもあります。