Olfactory Biome (匂う森)/ アルス・エレクトロニカ・バージョン

〜 化学シグナルによる、種を越えた参加型嗅覚バイオーム 〜

Exhibition Guide

この情報は、まず鼻を使って Olfactory Biome を歩き回ったあとに読むことをおすすめします。

SCENT MAP:

[A] Powder Puff Tree(サガリバナ)
[B] Thymol
[C] Isoamyl Acetate
[D] Coumarin
[E] Birch Tar EO

Scent Map | Olfactory Biome | Maki Ueda

[F] Queen of the Night(月下美人)
[G] cis-3 Hexenol
[H] Isoamyl Acetate (The same as [C])
[I] Eugenol
[J] Indol

PERFUME BOTTLES:

No.1 雄の蛾: Linalool

Linaloolは、多くの花や果実に含まれる、典型的なフローラルの香りです。
蛾にとって、Linaloolは、花や潜在的な食物源を見つける手がかりとなる、複雑な香りのシグナルの一部として機能することがあります。

No.2 雌の蛾: α-Ionone

α-Iononeは、多くの花に含まれる、典型的なパウダリーでスミレ様の香りです。
送粉者を必要とする植物の花の香りに含まれており、昆虫を花へと導く香りのシグナルの一部となることがあります。

No.3 雄のコウモリ: Ethyl Vanillin

Ethyl vanillinは、甘く、バニラ様で、グルマン調の香りを持ち、食品の香料として広く使われています。
その香りは、天然のバニラビーンズの香りよりもはるかに強く、私たちにとっては「バニラ」として、より馴染み深いものです。
しかしコウモリにとっては、これは自身の感覚世界を通して解釈される、ひとつの化学的な手がかりにすぎません。

No.4 雌のコウモリ: Gamma Decalactone

γ-Decalactoneは、甘く、フルーティーで、桃のような香りを持っています。
また、若い女性を含む、人間の体臭にも含まれています。
つまり同じ分子が、果実と人間の身体という、まったく異なる二つの嗅覚世界をつなぐことがあります。

No.5 雄の人間: beta-Androstenone-like

β-Androstenoneは、哺乳類の体臭に関連するステロイド様化合物で、人間において潜在的なフェロモンとして機能する可能性が提唱されています。
雄豚では、androstenoneは雄豚特有の性的な匂いを構成することがよく知られており、雌豚の交尾行動に影響を与えることがあります。
しかし人間において、それがフェロモンとして機能するかどうかは、いまだ明らかではありません。

No.6: 雌の人間: Copulins-like

Copulinsは、雌の哺乳類の膣由来の匂いに関連する、揮発性脂肪酸の混合物です。
その組成は月経周期によって変化することがあり、特に排卵期前後のアカゲザルの匂いとの関連について研究されています。
人間においてCopulinsがフェロモンとして機能するかどうかについては、いまだ議論があります。