嗅覚のための迷路 VER. 4

– お花見スポットを見つけよ –

 

空間インスタレーション (2018)

{youtube}R6jvXoV2PAI{/youtube}

https://youtu.be/R6jvXoV2PAI

DATE: June 4 to October 21, 2018
VENUE: ジャパン・ハウス・サンパウロ(プルミエ)
CURATOR: Felipe RIEBENBOOM
SPONSOR: –

Total visitors: 307,439
Total media reports: 114

Also Exhibited at:
Kiyosu Haruhi Art Museum, 2019
National Taiwan Museum of Art, 2020

 

JAPAN HOUSE Sao Paulo - fotos  de Rogério Cassimiro (4)

JAPAN HOUSE Sao Paulo - fotos  de Rogério Cassimiro (5)

JAPAN HOUSE Sao Paulo - fotos  de Rogério Cassimiro (6)

[Experience]

This is the 4th version of my Olfactory Labyrinth Series, exploring space, movement and olfaction started in 2013. It is a maze with a metaphor of ohanami.

Ohanami is the Japanese traditional custom of picnic party for enjoying cherry blossoms in early spring. “Find the best spot for ohanami, with the sense of smell”, is the assignment to the audience. As you get closer to the invisible sakura (cherry blossoms) trees, it smells stronger.

[Technical Facts]

There are 81 bottles hanging from the ceiling in the grid of 9×9. Each bottle contains fragrant oil. The candle rope by which it hangs from the ceiling gradually absorbs the oil and spreads the scent around the space. The oil is just strong enough to be smelled from 35 cm distance. Each grid is thus 70 cm, just wide enough for a person to walk through while smelling. In order to make it possible, the solvent is carefully calibrated as follows: ethanol 80% (emitting property) / propylene glycol 20% (fixative property) .

This version is inspired by The Weber-Fechner Law on psychophysics: the logarithmic relation between the actual change in a physical stimulus and the perceived change. The concentration increases in 3 steps in multiple of 33, as a result of many experimentations: (1) 10.00% (2) 0.33% (3) 0.01% (4) 0.00%

The fragrance sakura is composed by myself as well. I tried to resemble it to the blossoms in the night, which emits very soft and powdery scent in silence.

The last step of the development is composition of colors. The higher concentration has darker color, so there needs color adjustment by each concentration, in order to mask the concentration visually.

 

JAPAN HOUSE Sao Paulo - fotos  de Rogério Cassimiro (15)

JAPAN HOUSE Sao Paulo - fotos  de Rogério Cassimiro (2)

JAPAN HOUSE Sao Paulo - fotos  de Rogério Cassimiro (3)    

展示に寄せて (清須はるひ美術館にて)

追風用意(おいかぜようい)という言葉がある。ひとことでいえば「香りの心遣い」。 徒然草の著者・吉田兼好が山里の寺で女性とすれ違ったあと、ふわっと漂ってきたお香の匂いをそう呼んでいる。 

その寺の女性たちは常日ごろから、誰かこの香りに気づいてくれるかしらと、着物に香りを薫き込んでいるわけだ。強すぎてもわざとらしいし、弱すぎると気づ
いてもらえない。さりげなく演出するため、時間と空間を緻密に計算しているところが心憎い。

この場合、特定のターゲットがいるわけではない。そこが、異性との逢瀬の前に香水を振りかけるような利益目的の行為とは異なる。

そう、匂い香りは、その魔術的なパワーから、営利目的で使われることが多い。まあ、そこは産業が積極的に取り組んでくれている。例えば洗濯物の香り。リラ
ックス効果のあるアロマの香り。新車の香り。強い情動により記憶に定着しやすいため、消費行動へと誘導しやすい。

なのでアートでは敢えてそこをやる必要はない。私たちが取り組むべきは、こういった欲や執着から切り離された部分ではないだろうか。

考えてみてほしい。そもそも香りとは総じて、自然界の代謝の産物なのである。花々から発せられる芳香は虫を誘うためだし、動物から発せられるのは縄張りか
生殖のため。いわば「信号」に近い。香りは自然界においては、ソーシャル・コミュニケーションを担う大事な機能がある。

こう見ると、人類のために作られた香りはあるのだろうかと疑いたくなるほどである。我々はその自然の恵みをありがたく使わさせていただき、欲や執着を抱く。しかし、香道や「追風用意」のような、洗練された嗅覚コミュニケーション文化を作って楽しむ知性もある。それは、まだ始まったばかりだ。

この展覧会は、わたしがそう信じ、みなさんのために仕掛けた、「追風用意」空間なのである。

 

 

 
 

 

 

 

 

すけべにんげん

すけべにんげんオフィシャルウェブサイト: http://sukebeningen.org

 

すけべ人間

 

我々は日本におけるエロティシズムを研究/探究し、その本質を音楽と舞踊を中心とした総合芸術作品として昇華し世界に広く公開することによって、我が国の文化の本質的な理解を促すことを目的としています。

 

むっつり助平って?

 

―無関心のふりをしながら、実際は好色である人。

エロい人はエロい。エロくなさそうな人も本当はエロい。

誰にとっても身近ではあるがその反面個人的な嗜好が大きく影響する<エロ>を題材とすることで、いたずらに敷居をあげることなく楽しめ、また文化という非常に抽象的な概念を扱っているにもかかわらず観客自身の個人的な物差しで作品を鑑賞することが可能である。

 

なぜエロティシズムか?

 

―それはエロスが何にも包まれていないむき出しの感覚だから。

―デリケートでヌルヌルした内蔵のようななま暖かい感覚だから。

日本人の思考と嗜好の核に近づくため、あえて最も敏感な部分に迫りたい。

我々は何に<感じる>のか?

  

作品紹介


(1) 刺青

{vimeo}32279071{/vimeo}

谷崎潤一郎「刺青」を元にした作品。2010年Den Haag, Nutstheaterにて初演。その後STEIM (Amsterdam)などで、多数上演。「刺青」は脚へのフェティシズム、SMなど少々屈折した愛情表現が盛り込まれた刺激的な内容の短編です。

耽美派と言われた谷崎の作品のもつ独特の世界観は様々な監督によって映画化され、また刺青をアレンジした作品なども創作されていますが、我々は「文字」は一切用いることなく、より抽象的な音、ダンス(”身のこなし”)、美術、そして香によって実現させようと試みました。

香りについて; 1つ目に焚く香りは、沈香。むかし遊郭にて、つねに焚かれていた香りです。快楽とエクスタシーを象徴しています。2つ目の香りは、お焼香。お葬式に使われるこの香りは、死を象徴していますが、ふしぎと1つ目の香りとも似ています。それは、原材料に沈香を含んでいたから。快楽と死が隣り合わせというパラドックスを体験していただきます。

電子音楽&作曲 : Yota Morimoto

作曲&バイオリン : Noriko Koide

監督 : Akane Takada

ダンス : Chiaki Horita

薫香 : Maki Ueda

タトゥー : Yuki Hatazawa

パーカッション : Ryoko Imai

 

(2) 月

{vimeo}32662398{/vimeo}

ダンス作品という形式において「気配のインスタレーション」を追求した. 香を纏った踊り手が、完全に暗転した客席の間を踊り、時に聴衆の体に触れる.

音楽は29の和音(電子音)が環を成すように、客席を取囲んだスピーカの間を徐々に遷移する. (月、あるいは女性の生体リズム)

極小の無線マイクがダンサーの体に取付けられ、息の音を始め、踊りに付随する様々な微小の音が空間的に拡散される. 和音の遷移と自身の発する音を聴きながら踊りを紡ぎ、時に観客の耳元に手を翳し聴覚を惑わせる.

作品が進むにつれ、感覚は徐々に鋭敏になり、踊り手が見える頃には 仄暗い中でその姿や肌は陰を通してしか知覚されない.

香りについて; ダンサーの使う扇に香りがしたためられています。夜、暗闇に芳香を放つ花はたいてい白く、香りで蛾を誘います。おなじように暗闇で誘う女性の白い肌を象徴し、イランイランを使いました。

電子音楽&作曲 : Yota Morimoto

作曲 : Noriko Koide

監督 : Akane Takada

ダンス : Chiaki Horita

薫香 : Maki Ueda

 
(3) 四十八手

{vimeo}32901012{/vimeo}

四十八手とは、もともと相撲で勝負をきめる技の総称で、そこから派生して江戸時代に春画に描かれている四十八(実際はそれより多い)のセックスにおける体位のカタログとしても使われるようになりました。体位にはそれぞれ詩的な名前がつけられており、発想の豊かさを感じさせられます。

この48個の体位を元にした振付け、四十八手が実践されていた遊郭に実際響いていた「音」を元にした音楽をお楽しみください。また、実際の江戸時代の遊郭では、性行為そのものよりも女郎たちとのお座敷遊び等を介したコミュニケーションを楽しむ粋な文化がありました。そのお座敷遊びの要素(端唄「梅は咲いたか」、キセル、金比羅船々など)も本作品ではふんだんに取り入れています。

香りについて; 桜の香り。ダンサーが放つ紙吹雪に香りがしたためられています。華やかに散る女性のオーガズムを象徴しています。

電子音楽 : Yota Morimoto

作曲 : Noriko Koide

ミニ琴 : Akane Takada

ダンス : Chiaki Horita

薫香 : Maki Ueda

パーカッション : Ryoko Imai

 
 映像ディレクター : Kaname Onoyama.

 

制作の裏話

なぜ、どうして、その香りになったのか。どのように調香・薫香したのか。などなど、裏話はこちらへどうぞ。

http://witch-lab.blogspot.jp/2012/08/blog-post_23.html

 

チューリップの香りを探せ

(あるいは混乱せよ) 

アムステルダム・チューリップ・ミュージアムでの常設展示 (2012)

 

このチューリップ型のヘルメットに頭を突っ込んでください。異なる球根系の花の香りがするでしょう。それは、チューリップか、ヒヤシンスか、水仙のどれかです。どれがチューリップでしょうか。

{vimeo}47917042{/vimeo}

 

 

DSC_0026

DSC_0019

DSC_0018

DSC_0011 

発注主:  Amsterdam Tulip Museum

コンセプト: Maki Ueda

制作: Nezu Aymo Architect

協力: Omega Ingredients (www.omegaingredients.co.uk)