〜もしもコロナウイルスが匂って見えるものだったら〜
空間インスタレーション (2021)
"Viral Parfum" is the winner for the Art and Olfaction Sadakichi Award 2022 for Experimental Work with Scent!
サダキチ賞 香りの実験作品部門 受賞者
Viral Parfum by Maki Ueda
パフューマー: Maki UedaArt and Olfaction Awardsは、世界のインディペンデント・パフューマリー、アルチザン・パフューマリー、そして香りの実験的な作品の優秀性を称える賞です。
Viral Parfumは、コロナウイルスの様々な変異を6つの香りの調和で表現したインスタレーションです。ブラックライトの下でなければ見えない香りの調和は、白百合の香りを生み出し、新型コロナウイルスによる死を悼み、称える香りとなっています。Maki Ueda は、南日本を拠点に活動する嗅覚アーティストです。
詳しくはueda.nlをご覧ください。
Artforum の記事: https://www.artforum.com/diary/eva-diaz-at-the-world-perfumery-congress-88792
VIMEO - 作家自身による作品説明: https://vimeo.com/573515602
期間: 2021年5月7日 (プルミエ) – 8月29日
展覧会名: Smell It! 展
会場/プロデュース: ブレーメン市立ギャラリー (ドイツ)
キュレーター: Ingmar Lähnemann
コンセプト
新型コロナウイルスの登場後、私たちは、ウイルスという目に見えないものを見ようとするようになった。空中に浮遊するウイルスを、換気によって外に流したり、飛沫が届かない位置で人と対面したり、マスクをつけて自己防衛したり、手に付着したかもしれないウイルスをこまめに洗い流したり。
このウイルスの広がり方は、香りの広がり方にも似ているなと思った。香りも、空気に乗って拡散するため、私はよく空気の対流や換気に気を遣っている。それに、強い香りを扱う時はマスクをしている。香料を扱うときは、他の瓶に香りが移ってしまうのを防ぐため、こまめに手袋を替えている。
香りとコロナウイルスに共通する点を挙げてみよう。
・どちらも小さすぎて、目に見えない
・空気を媒介として拡散する
・付着により伝播していく
・そして時間が経つと消えてしまう
今回の展示では、ウイルスを香りに喩えた。ビジターは、部屋の好きなところに、「ウイルス・パフューム」をスプレーしても良い。他のビジターは、香りを頼りに、ウイルスの付着している箇所を探り出す。ふつうの明かりの下ではウイルスは見えないが、時折、ブラックライトにより照らし出されるようになっている。
ウイルスの種類は、変異種を含め6つ用意した。それぞれタイプの異なる香りであり、香りが空間で混ざり合った時、「白百合」の香りとなる。新型コロナウイルスによる死者を弔うための香りである。
NO.1: Skyblue : Ylang ylang oil, Hidroxycitronellal
NO.2: Green : Citronellol, Ionone alpha, Iso Eugenol
NO.3: Yellow : Ylang ylang oil
NO.4: Blue : Nerol, Geraniol, Paracresyl Phenyl Acetate
NO.5: White : Linalool, Vanillin, Phenyl Acet Ataldehyde
NO.6: Orange: Neroli Base (original composition)
制作の記録:
詳細な制作の記録はこちらのブログへ: https://olfactoryart.blogspot.com/search/label/%5BVIRAL%20PARFUM%5D